この記事はコワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2018の24日目の記事です。
ベースキャンプ名古屋の水上ちえさんから、バトンを引き継ぎました。
参考リンク:悩んでみえてきた、これから目指したい2つのこと
それぞれの運営者の方の記事を追っている中で、今回の記事は「コワーキングスペースとは!!」というお話より、管理人である僕個人の!という完全自分にベクトルが向いている記事となっております笑。
そのため、コワーキングスペースを成り立たせることで何が得られるのか?を知りたい方には一つの参考にしてもらえればと!
さてそれでは見てみましょう。
(ちなみに2017年の時の記事がこちら「1日の乗降数4000人ぐらいの田舎の駅前(滋賀県)にコワーキングスペースを大きく移転したら売上どうなるか検証してみました。」)
今プラスとは?田舎なコワーキングスペースとは?
まず僕が管理人をしているコワーキングスペース「今プラス」は滋賀県の湖南市という場所にあるコワーキングスペースとなっております。
田舎というのが定義的にどの辺りになるかですが、コワーキングスペースがある町として人口5万人、最寄り駅が2000人足らずと考えるとかなり田舎な方にあるコワーキングスペースと考えられるのではないかなと思います。
そんな今プラスは元々4年前ぐらいに駅から徒歩35分ぐらいの古民家に生まれまして、昨年の10月に駅から徒歩30秒の場所に移転しました。
敷地面積は44坪ほどで滋賀県内のコワーキングスペースでは大きなサイズのスペースとなります。(都会でいうと中の下ぐらいのサイズかなと。)
本業がホームページ制作会社(
ジャパニーズ株式会社)でして、従業員も僕以外はアルバイト雇用の方で全員で9名ぐらいの小さな会社となっております。
移転のときは人生初で借り入れをしまして、地方でコワーキングスペース成り立つの?みたいなのを身を削ってやってみました。
その内容を電子書籍でまとめたのがこちら。
「
地方でコワーキングスペースは成り立つの?」
移転して半年ぐらいで人件費を除いた部分は成り立たせまして、その結果人生が大分変わってきたぞ!という話になるので、その辺りを今回は
7つ!!に、してまとめてみました。
(あ、今プラスってどんなスペース?みたいなのは下記でまとめております。)
・
今プラス
1.色々なチャンスやキッカケが巡るようになってきた。
滋賀県にはまず人口が多い地域として大津市または草津市という地域があります。
その中でも県内でも下の方に入る湖南市で借り入れ(1200万円ほど)をして、コワーキングスペースをはじめるということをやったのですが、この辺りよく聞かれるのが「なぜ移転する時に草津市や人口が多い所に行かなかったんですか?」ということ。
これはある意味リスクでもあったのですが、逆に大きなチャンスだなとも思っていまして、コワーキングスペースを地方で、なおかつ田舎な地域で事業として成立させることが出来れば、色々な注目やキッカケに繋がるんじゃないかなと思いました。
結果的に地方のコワーキングスペースでまず人がちゃんと利用していることや、情報発信をしていることもあって本当に色々なチャンスやキッカケを頂くことが出来ました。
一例としてはこちら。
・滋賀県主催のビジネスプランコンテストで今プラスをからめたコワーケーション事業でオーディエンス賞を受賞
・横にある中学校と連携して中学生×面白い大人ではじめるミニ部活を始められるように。
・県内の複数の地域からコワーキングスペースのコンサルタント依頼、二店舗目のお誘い
・県内での今プラスの認知度上昇によりテレビ、新聞の取材
また情報発信として上記の電子書籍を出しているのも多いのですが、これを読んで本業の制作会社の依頼に繋がることもあれば県外の「コワーキングスペースやりたい!」という方々と繋がる事もできました。
なんでもやってみるもんだなと思ってます。
これらはもし草津市や大津市などのある意味、滋賀県でも人口が多いところでやると「まあ、その辺りだとなんとかなるでしょ。」的な部分からここまでのチャンスや注目を集めることはなかったと思います。
実際に遠方から来られる人ほど
「本当に駅の周り何もないですね笑」と、閑散具合を知ってもらい、その上で「そんな地域でもコワーキングスペース事業って出来るんですね!」と興味を持ってもらえます。
2.今プラスと言う名前が信用に繋がり、人と繋がりやすくなった。
滋賀県で面白いことをしている場所として今プラスという名前が知られるようになったこともあり、「知り合いたいなー」と思った人達とかなり知りやすくなっています。
その一つが今年の4月に滋賀県へUターンした面白い人達にインタビューをする音声メディア「
滋賀県Uターン物語」。
滋賀県にUターンして面白い人達にインタビューをしにいくというものもアポイントの時点で「今プラス、知ってます!」ということで快諾頂けたり、逆に「一度話してみたいと思ってました!」ということで本当にありがたいことに、県内の面白そうな人達から話かけてもらえるケースが増えました。
面白い人達と繋がれるということは本当に嬉しいことで、その繋がれた時点はなにか発生しなくてもこれからやりたい事業などで単純なビジネスライクな関係性ではない部分を作れたのは大きいです。
3.本業のホームページ制作会社との親和性もアップ。事業として新しい柱としてコワーキングスペース事業が出来た。
今プラスの場所が移転して成立させたことは単体でコワーキングスペースがうまくいきましたということだけではありません。
その結果、場所としての信頼度も増したりしたことで本業のホームページ制作会社としての依頼件数も増加しました。
去年は月3件ぐらいの新規制作が、今年は月4.5件ほどの製作件数に。
更に意図的に初回の相談の打ち合わせを今プラスですることで、「こんなお店が滋賀でも成立するんですね!」と興味も持ってもらえたり「この制作会社は面白そうだぞ!」ということで、成約率もググンっとあがりました。
今プラスの方も、単独で人件費を除いた部分でプラスを出すことができて、現時点でのお話を書くと月額会員数が40人ぐらいで、月の売上も50万円ほどとなります。
とはいえどんどん売上あげていこー!というのは興味がなくて、売上があがったことで
お金という道具を使ってもっと面白いことや新しいことをしていきたいという感じです。
小規模事業者なので、単独でプラスが出るというのはこちらも大きくて、違うやりたいことへステップが踏みやすくなるというのも良かったです。
あ、あとこの1年で二店舗目出しませんかや運営委託出来ませんかというお話を頂くようになったのですが、それには全て断るようにしています。
仮に今プラス2みたいなのを僕自身出してもそこに興味がない部分もあったり、それぞれのスペースがそれぞれの色があったほうが絶対おもしろいと思うんですよね。
最終的には滋賀県という地方でも各市町に一件ずつコワーキングスペースが出来ればいいなーと思っていて、そこへの相談とかは絶賛乗るのですが、運営委託などではなく皆で色々やっていこうスタンスでやりたいと思います。
4.増床もしました。週1ですがママさん&子供向けコワーキングスペースも作りました。
また同じビルの2階にある個室もレンタルスペースとして増床しました。
単純に増床するだけだと面白くないなーと思っていたので、2つの打ち出し方をしてみました。
・
今プラスROOM(40人収容の完全個室型レンタルスペース)
・今プラスBABYS(ママさん&子ども限定のコワーキングスペース)
BABYSはまだまだ全然認知度がないですが、最終的にはBABYS単体でいつでもやっているように増床したいと思っています。(来年あたり行けるかなー!?)
また完全個室型という新しい機能が今プラスに増えたことで、レンタルスペースとしての需要も拾えることができて、それに関連してコワーキングスペースとしての利用や認知もより上がった傾向にあります。
この辺り複数のコンセプトを打ち出すというのは意図的にしていて、例えば今プラスのWEBサイトだけでも単独で下記のようにホームページがあります。
・
滋賀県のWi-Fi、電源が使えるフリースペース「今プラス」
・
滋賀県の自習室「今プラス」
・
滋賀県のシェアオフィス、SOHOなら今プラス
・
今プラスROOM(滋賀県のレンタルスペース)
これらは「Wi-Fi」や「自習」「シェアオフィス」などのキーワードを上位にあげるために独自性のサイトを作ったという意味もあるのですが、コンセプトを複数作っておくことで
・自習できるスペースには興味ないけど、レンタルスペースにはめっちゃ興味ある!
・人と話しながら仕事したいから自習スペースには興味ない。
みたいな方々を巻き込んで集客することができました。
人口がどうしても少ない地方だからこそという方法かなと思いましたが、これは多分都会であっても十分に行えるWEBサイトを使っての集客方法だと感じています。(スマートでもない、すんごい泥臭い作戦ですけどねw)
5.スタッフの方も増えました。ローカルサイト事業も僕から離れて出来るようになっています。
また売上も無事上がったことで、新しいスタッフの方を今年はお二人雇用することが出来ました。
ちなみに募集に関しては、全く困ったことがなくて今回は例年通り自社サイトで周知を行ったところ1ヶ月で30名ほどの応募がありました。
アルバイト募集記事:
【募集終了】年に一度のアルバイト募集!滋賀県のコワーキングスペース&WEB制作会社で働いてみませんか?
募集される方は意欲も高く、そもそも今プラスや行っている事業内容に興味がある方もいらっしゃるのでスキルもあったりと本当に助かっています。
またローカルサイトの運営も行っていまして、これまでは僕一人が頑張って書いていた「日刊!滋賀県」についても専属でスタッフの方と外部ライターの方に手伝ってもらえたことで本当の意味で日刊での情報サイトとなっています。
参考リンク:
日刊滋賀県
ローカルサイトの運営はコワーキングスペースとしても親和性が高いこともあり(バナー集客)、何よりローカルサイトでの認知度もなかなか馬鹿に出来ないので、この辺りは来年100万PV目指して頑張っていきたいと思います。(現状は月10万PVほど。)
6.母校の中学校で面白い大人が講師になる「ミニ部活」はじまる!
またこれも本当していて面白いしワクワクするなーと思っているのが、今プラスのお隣にある甲西中学校でのミニ部活なるもの。
おそらく日本初。
継続的なプロジェクトになるとやっている中学校はないはずの継続プロジェクトで、下記の様々なテーマに対してそれを仕事にしている大人(今プラスの会員さんやスタッフさん)が講師となって一緒にやってみよう!というもの。
・ミニインタビュー部
・ミニ料理部
・ミニダンス部
・ミニ農業部
・ミニYouTuber部
・ミニ歌手・声優部
・ミニWEBデザイン部
・ミニブロガー部
・ミニ漫画部、ミニイラスト部
・ミニ写真部
・ミニ動画撮影部
・ミニプログラム部
・ミニ翻訳部
・ミニSNS部
きっかけや、これをすることになった経緯としては下記にまとめてあるのですが、これも今プラスを移転して、なおかつ多くの人に出入りがあり雰囲気としても良かったことから繋がる事案となりました。
参考リンク:
【日本初!&大人募集中!】湖南市の中学校で中学生がやりたいことを仕事にしている大人が講師&一緒にやってみるミニ部活はじまります!
来年からは国際交流型のシェアハウスをオープンしていくのですが、そこで滞在する外国人の方々も講師になってというのが出来たらより面白くなりそうと思っています。
7.2019年に向けて、新たにやりたいことも実現できるように。
コワーキングスペースを移転しようと決めた2年前ぐらいから一人で海外へ行くようになりまして、それからより「地方のコワーキングスペースに海外の人来たら面白いのに。」と思っていました。
そのやりたいことにハマるワードとしてココ最近で注目されているのがコリビング。これについては来年3月に湖南市内に外国人のデジタルノマド専用のシェアハウスを作り、今プラスと連携してコリビング事業を進めていきます。
田舎でコワーキングスペースもそうですが、新しいことを始めたりするとどうしても不安視される声があります。
しかし駅前で人の出入りもあって前述の中学校や行政、様々な人となにかをしていることで「あの場所がやるなら。」という信頼感をまず一軒目のオーナーの方に思ってもらえたことは大きかったです。
というのは湖南市でも全国的に問題になっている空き家はあるのですが、景観として特長がある古民家ではなく一般住宅系のものが多いです。
そのためcafeにー!とかゲストハウスにー!というのはなかなか難しい。ですが、逆に一般住宅で部屋がしっかり分かれている方がシェアハウスとしては初期費用を抑えながら出来るので、まず1軒目で「世界中の人が湖南市にも滞在しに来るのね。」と知ってもらって、市内の他の空き家も活用しつつ最終的には湖南市内に10棟、常時50人の世界中のデジタルノマドの人達が滞在するようにしたいと思います。
またその中でもデジタルノマドで世界中回ってます!というより、初めての滞在場所として湖南市を選んで貰えるある意味「初心者向けデジタルノマドのシェアハウス」という形で打ち出していけたらなと。
(初めての場所ってそれだけ思い出深かったりもするので。)
総括:結果、人生が大きく変わってきた。そしてそれは来年以降加速していく。(ようにしたい。)
移転するまでの人生という意味では古民家時代は1年目、2年目、3年目と売上は多少あがりつつも目に見える形や繋がりという部分でここまで大きくは変わりませんでした。
「新しい価値を作り出すことが出来た。」
「人との関わりも良い形で増える。」
「金銭的・精神的にも無理せず新しいチャレンジができる」
この3つの意味で今年は大きく変わったなと。
2018年度をコワーキングスペースとして振り返るとこんな感じです。
・滋賀県主催のビジネスプランコンテストでオーディエンス賞受賞
・滋賀県Uターン物語を公開
・移転半年でコワーキングスペース単体で黒字に。
・お隣の中学校で面白い大人が講師をするミニ部活スタート
・今プラスROOMを作り、増床
・新しいスタッフの方をお二人雇用
・県内の面白い人達と繋がれるように。
・制作事業も売上拡大
・日刊滋賀県に専属でスタッフの方がついてもらえるように。
2019年はこの辺りをしっかり活かしつつ、最終的には2019年12月でこうなってたらなと思います。
・デジタルノマド専用のシェアハウスを湖南市内に3棟オープン
・世界中の人に使ってもらえるWEBアプリを公開
・今プラスBABYSを単体でオープン
・日刊滋賀県で月間100万PV
・事業の柱として受託制作事業を月辺り3件ほどにしてコワーキングスペース事業やアプリ事業を展開
・地方のコワーキングスペース事業単体で売上100万円ほどにして、もっと面白いことしたい。
最後に今考えると「よく1年前に移転したなー。その自信はどこから?」ともなりますが、現時点で戻っても結局同じ路線を選んだろうなと。
またそれにより人生は良い形で変わってきて、加速度を増して新しい面白いことをできるので本当に良い一年だったなと思いました。
では最後はオオサカンスペースの大崎さんにバトンをお渡しします。
皆さん、よいお年を。